鋭読 〜英独のニュースから世界を読む〜

ブッシュ大統領のストレス解消法は?

今年最後のブログです。
いろいろな話題があった1年でした。冬季オリンピックもワールドカップもありました。WBC優勝で沸いた日本球界からは松坂、井川、岩村と立て続けに大リーグ参戦が決まりました。国内問題に目を向けると耐震偽装問題に「揺れた」1年でもありました。偽メール事件なんてのもありましたし、最近では県知事が次々に汚職で逮捕されています。小泉ライオン丸の後を継いだ「美しい国」を唱える安倍首相は続出する問題への対処の仕方が55年体制の自民党のようだと批判されています。
世界情勢はというと、北朝鮮の核実験成功(ホンマかいな)、ミサイル発射実験はと、ますますのお騒がせでした。アメリカでは民主党が中間選挙に大勝し、下院で過半数を獲得、上院でも共和党と議席数が同数になり、ブッシュ大統領の対イラク政策に「NO」をつきつけるものでした。おかげでラムズフェルド国防長官は更迭…とご存知のとおり、イラクの情勢は一気に流動的になりました。でもブッシュ大統領は相変わらずです。素直にイラクから撤退すると対テロ戦争という意味では敗戦を認めることになるし、軍需産業はアメリカの主要産業ですから産軍共同体からは強烈な圧力がかかります。一方、このまま続けると国民の批判はますます強まります。悩ましいところです。
今日は最後の締めくくりに、おなじみ『ニューヨーク・タイムズ』を取り上げます。25日付電子版から "White House Memo Bush-Watchers Wonder How He Copes With Stress" 『ホワイトハウス・メモ ブッシュ・ウォッチャー、大統領のストレス解消法を探る』

お利巧な子はベジタリアンになる?

あっという間に年の瀬も押し詰まってきました。これ、幼い子どもにとって一年は「あっという間」ではなく、年令を重ねるほど「あっという間」になるんだそうです…
今日は気になる記事を見つけました。大人になってベジタリアンの人の方が子ども時代に知能指数が高いというのです! 受験シーズンを控えた季節に気になりますよね。
ドイツは『ズートドイチェ・ツァイトゥング』(南ドイツ新聞)の19日付電子版から "Schlaue Kinder werden Vegetarier" 『お利口な子はベジタリアンに』

2007年の人物 次は誰か

一連の松坂フィーバーも落ち着いてき始めましたので、このブログでも取りあえず今日の記事で一区切りとします。
アメリカの『ニューズウィーク』誌最新号では「2007年 次は誰か」と題した特集記事で、政治、経済、音楽など21分野から来年話題を呼びそうな注目すべき人物を取り上げています。その中で、スポーツ部門ではボストンレッドソックス入りが決まった松坂大輔投手が選ばれました。
日本人としては「ふ〜ん、当然かもね」という感じがしますが、こうやって騒いでいるのは日本とアメリカくらいです。これは野球が北京五輪以降は五輪種目から除外されたことと関係があります。「野球」、「ベースボール」といってもアジアの一部を除いて、ヨーロッパはもちろん、アフリカ、南米では殆どの人が野球を知りません。これは野球の普及という観点から見ると実に致命的なことで、野球はサッカーなど他の球技と比べると普及度が非常に低いのです。使用する道具が多いのが原因かも知れませんし、かつてはアメリカが孤立主義を標榜していたために植民地政策をとらなかったからかもしれません。また、第二次世界大戦中は日本がアジア諸国に侵攻しましたが、野球は敵国アメリカの国技ですから戦地では行われませんでした。こうして野球が伝えられた国は限られています。実際、オリンピックにしろ、ワールド・ベースボール・クラシックにしろ、アジア予選を見てみると、僅か数カ国で行われており、サッカーのように何次も予選を重ね、試合を重ねていく本大会への長い道のりとは雲泥の差がありますね。
当然のことながら、そういう国々では知りませんからニュースになりません。実際、ドイツやイギリスの新聞をくまなく捜しましたが、「松坂」の名前は見られませんでした。
というわけで、アメリカの雑誌であるがゆえに「話題の人」と見られた松坂君の話題です。
『ニューズウィーク』誌電子版18日付の記事(12月25日〜1月1日号用) "Who's next 2007: Sports: Daisuke Matsuzaka" 『2007年 次は誰か スポーツ部門:松坂大輔』です。

松坂 契約合意に満面の笑み

しつこく松坂情報です。
最後はハラハラさせましたが、契約合意に達しました。日本ではここまで契約交渉が長時間にわたることにあまりなじみがありませんが、契約社会のアメリカではごく普通に行われます。そして、これまた日本とは異なり、契約はあくまでも双務関係ですから、両者ともがメリットを感じなければ契約交渉は合意に至りませんし、そうなっても相手を恨むなんてことも(普通は)起きません。
今回も一説によると、代理人スコット・ボラス氏は決裂もやむなしと考えていたようですが、松坂本人が条件承諾を指示したと伝えられています。ボラス氏は「タフネゴシエーター」としてつとに有名で、「吸血鬼」なんていうありがたくないニックネームまで頂戴している御仁です。過去にも提示された条件に不満だから契約しない「前科」が何度かありますから、「今回も…」と外野の雀は騒いでいました。
でも松坂の「メジャーで投げたい」という昔からの夢の方が勝ったのです。それはそれとして素直に賞賛したいと思います。
というわけで、おなじみ地元の『ボストン・グローブ』紙14日付電子版から "D-Mat, Fenway Park's next ace, in fold"『レッドソックスの次期エースDマット 満面の笑み』

松坂 契約締結秒読み

松坂の契約交渉を巡る続報です。
地元の『ボストン・グローブ』紙電子版では、遂に基本合意に達したと報じています! パチパチパチパチ!
もし交渉決裂となると、松坂は西武に戻ってプレイしなくてはならず、なんとも締りのない話しになりますし、西武は当てにしていたポスティングフィーを1銭も手にしないし、代理人のスコット・ボラス氏は成功報酬せいですから、これも1銭も手にできませんし、ボストン・レッドソックスはせっかく大枚はたいて独占交渉権を獲得したのに希望の強化策が水泡に帰すわけですから、「三方一両損」どころか、「四方損だらけ」に終わることになってしまう… とゴリ丸としても心配でした。松坂が日本に戻ると、これはやりにくいでしょう。ファンや同僚選手にはお別れの挨拶が終わっちゃってるんですから。
なんとかその心配は杞憂に終わりそうです。
13日付 "Matsuzaka deal appears imminent" 『松坂 契約締結秒読み』より翻訳をお届けします。

松坂依然として合意に至らず 交渉期限迫る

松坂大輔はボストン・レッドソックスでプレイできるのでしょうか?
期限は15日深夜ですが、地元『ボストン・グローブ』紙11日付電子版は代理人スコット・ボラス氏が時間切れを狙っているのではないかと報じ、『ボストン・ヘラルド』紙10日付電子版に至っては、情報筋の話として「交渉決裂」を伝えています。
コトここに至っては交渉が本当に頓挫したのかと思いましたが、12日付『ボストン・グローブ』は、レッドソックス側が明日13日、メジャーでプレイ経験のない選手に対する条件としては最高額を提示する予定と報じています。
どうにかなるのかな、なって欲しいなと勝手に思っていますが、これをライバルチーム、ニューヨーク・ヤンキースのお膝元、『ニューヨーク・タイムズ』紙はどう報じているのでしょうか?
12日付電子版から "As Japanese Pitcher Waits, Wheeling Outpaces Dealing" 『松坂依然として合意に至らず 交渉期限迫る』

ボルトン米国連大使辞任 〜ドイツはどう見ているか?〜

ボルトン国連大使が辞任を表明しました。本文にもありますが、国連軽視発言で物議をかもした人物としてつとに有名です。国連という国際協調組織にアメリカの大国主義、単独主義を持ち込んで国連改革をしようとした、まあ非常に勇ましいと言いますか、ブッシュ政権を後ろ盾としたこの時期だから彼が国連大使たり得たと言えるでしょう。しかし、北朝鮮に対する強硬路線を一貫して推し進めるなど、ある意味では成果も出していました。
これも本文にあるように、そもそも議会承認を得ずにブッシュ大統領の独断で任命されていたボルトン氏に対する風当たりは、先月の米中間選挙で共和党が惨敗を喫してさらに強まりました。
日本と異なり、政権や議院内多数派が変わると行政府要職のクビがすげ変わるのが欧米では通例です。たぶん年末年始、ワシントンは引越し屋が大繁盛でしょう。その意味では予想できた結果でもあるのですが…
今日はこの問題がドイツでどう報じられているかをお知らせしましょう。『ディ・ヴェルト』紙4日付電子版から "John Bolton Der Abschied eines durch und durch undiplomatischen Diplomaten" 『ジョン・ボルトン 全く外交的でない外交官の辞任』


メジャー ポスティングを見直し?

松坂大輔のボストン・レッドソックスに続いて、岩村明憲がタンパベイ・デビルレイズ、井川慶がニューヨーク・ヤンキースと、ポスティング制度を使ったメジャー移籍先が続々と決まっています。「決まっています」とは書いたものの、ここがポスティング制度のややこしいところで、独占的交渉権を球団が競り落としただけで、果たして球団と選手が契約に合意するかどうかはまだ決まっていません。
このややこしい「ポスティング制度」、もちろん王・長嶋の時代には存在せず、ごく最近になってから日米両球界が決めた制度です。
でも、果たしてこれでいいのかという声は両国から上がっています。日本側で言えば、高い契約金で獲得した選手を育て、一流になるとFAになる前にメジャーに売れば、多額のポスティング料が手に入ります。つまり、育成→メジャーに売却 という一つのニュービジネスが見えてしまったのです。これは日本球界の健全な育成にとってマイナスではないかというのです。
一方メジャーでは、日本で活躍して十分な経験があるとは言え、メジャーでは未知数の日本人選手と独占的交渉権を得るためだけに何十億円も払うべきなのか、そんな大金があるのならば、例えばもっと確実な補強策があるのではないか、入場料金を下げられるのではないかというのです。
ここではアメリカ側の意見とまでは行きませんが、そもそもポスティング制度がいつ、どのように今日の形になったのかを紹介している『ニューヨークタイムズ』紙電子版1日付の記事 "Merely Talking to Japan’s Best Is Big Business" 『日本の好選手との独占交渉権さえ取れればビッグビジネス』を翻訳します。