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鋭読 ~英独のニュースから世界を読む~

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安倍首相とチャンドラ・ボースとパール判事

安倍首相がこの期に及んでアジア諸国を歴訪しています。相手国も困るでしょうね。いつまで政権の座についているか不透明な元首に訪問されても。
いずれにしろ、インドは世界に注目を集めている大国でもあります。人口は世界第2位。IT技術者を世界中に輩出。地球温暖化のカギとなる温室効果ガスの一大放出国。核を保有し、パキスタンとは一発即発状態。世界はインドの動向に注目しています。
そんな安倍首相インドを訪問。連合国イギリスからの独立を目指してこれに抵抗し、そのために戦時下の日本にくみしたチャンドラ・ボース極東軍事裁判でただ一人、日本戦犯の全員無罪を主張したパール判事の親族を表敬訪問した。旧連合国のジャーナリズムはこの事態をどう見たのでしょうか?
『ニューヨーク・タイムズ』紙電子版24日付の記事から "Japanese Leader Hails Indians Who Backed Tokyo in ’40s" 『安倍首相 40年代に日本政府を支持したインド人を表敬』を訳します(記事本文はこちら)。

(注:リンク、トラックバック、引用は出典を明記した場合に限りフリーです。出典を明記せず、または管理人の承諾なく一部ないし全部を転載することは、これを禁じます。コメントから連絡ください)

<開始>
[コルカタ発8月23日AFP] 昨日、日本の安倍首相は、第二次世界大戦中にインドを植民地支配していたイギリスに立ち向かい、日本側についた2人のインド人に敬意を表する声明を出した。
イギリスに対する武装抵抗を主唱した国家主義的指導者のナタジ・スバス・チャンドラ・ボースと、戦時中の日本の指導者たちに死刑判決を下した東京裁判で、唯一戦犯全員の無罪を主張したラダ・ビノード・パール判事の2人の親族と面会するために、安倍首相はこの地を訪れた。
安倍首相は印日文化センター開館式で「多くの日本人は、サバス・チャンドラ・ボースのようにインド独立の強い意志を持って行動した人物に非常に感動した」
「判事は多くの日本人から今も尊敬を集めている」と語った。
インドへの3日間の公式訪問を終えようとしている安倍首相は、パール判事の息子と会うと日本が戦時中に犯した残虐行為および教科書などで歴史を説明する際に残虐行為に触れないようにしている日本の最近の動きを批判しているアジア諸国の怒りを買う恐れがあるとする日本国内の意見を受け容れなかった。
ある反対意見では、パール判事が極東軍事裁判の合法性に疑問を呈したため、戦争犯罪に問われたが起訴されなかった安倍首相の祖父岸信介とパール判事の友情が明らかにされなかったとされている。
パール判事の息子プロシャント (81)は安倍首相と「会って非常にうれしい」と語った。「父が、正しく、正当な貢献をしたことで今でも覚えていていただけることを誇りに思う。戦争犯罪で片方の当事者だけに罪を問い、なぜいま一方に問わずにいられるだろうか」安倍首相のインド訪問中、インドと日本は年内に経済提携関係を結ぶことを表明した。
安倍首相はバッダハデブ・バッタチャルジー・西ベンガル州首相と会談し、ボースの記念館を訪れた。
第二次世界大戦中、ボースはイギリスの監視下から逃れてナチス・ドイツに援助を求め、さらに東京に逃亡した。彼は東京でインド国民軍を組織し、同軍はインド北西部およびビルマで日本軍と並んで連合軍と戦った。安倍首相は、少年時代のボース、1942年5月にベルリンで行われたヒトラーとの会談、生まれたばかりの娘を抱いたドイツ人妻の写真を見た。
ボースの最後という有名な写真には、1945年8月17日、つまり様々な議論がある台湾で起きた飛行機事故の1日前にサイゴンで飛行機から降り立つ姿が写されている。記念館で安倍首相を案内したのは、ボースの親戚のクリシュナ・ボースと彼女の息子でハーバード大学歴史学教授のスガタ・ボースだった。
安倍首相はボースに関して「日本と強いつながりを持っていたボースに関する、これほど多くの記念の品を見て非常に感動した」と語った。「私は、サバス・チャンドラ・ボースが望んでいた二国間関係を強化するという強い決意を表明した」

小指を切断して抗議し、逮捕
[東京発8月23日 AP電]当局および報道によると、安倍首相が終戦記念日に靖国神社に参拝しなかったことに抗議して、自民党に切断した小指を送りつけた罪で、警察は木曜日に過激主義者を逮捕したという。
警察によると、犯人は丹正善裕(54)という男で、安倍首相と自民党を脅迫した罪で逮捕されたという。
<終了>

【ゴリ丸の感想】
ボースとパールを表敬訪問するということは(記事原文でははっきりと表敬訪問と書かれています)、イギリスやアメリカ、すなわち、かつての連合国としては気持ちがいいものではないでしょう。特に日本は西側の一員だと一応は思っているからなおさらです。
日本のマスコミにしてもそうです。パール判事の息子を訪問したことばかりをことさらに強調して、安倍首相が祖父岸信介が無罪だったと考えているのでは、と匂わせてばかりです。ですが、なぜ会いに行ったのかを明確に指摘せずに「面会した」としか書きませんし、ボースの親族とも会った、この2つの表敬訪問がどういう意味なのか、考えていません。
この2人への表敬訪問は、旧連合国としては、日本が今にも国家主義的に方向転換する恐れを含んだ国だということを意味するのです。いや、確かに露骨にそう苦情は言いません。大人ですから。でも、心の底では疑心暗鬼なのです。
それが表れているのが、最後に数行付け加えられた短信です。つまり、旧連合国である西側から信頼し切れない安倍首相を動かす国民にはこのような極右もいることを表すニュースをわざわざ最後に追加しています。『ニューヨーク・タイムズ』の見方がわかってくるでしょう?
~この稿おわり~

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