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鋭読 ~英独のニュースから世界を読む~

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W杯前のオシムのインタビュー

イヴィツァ・オシム
サッカーファンならずとも、この名前を記憶している人は多いでしょう。
NHKの特殊をご覧になった方も多いでしょう。ボスニア・ヘルツェゴビナW杯に初出場を果たしたのにはオシムの尽力が大いにモノを言ったのです。国内で民族対立が激しく、サッカー協会も分立状態。ひとつのサッカー協会にまとまらないようではW杯予選に出場させないとFIFAに「制裁」されたのです。そこで、「正常化委員会」が設立され、代表に推されたのがオシム。脳梗塞の後遺症が残る老体に鞭打って、積極的に対話を実現し、遂には一つの協会にまとめあげました。彼の人望のなせるわざでした。

そこで、NEWS.at、つまりオーストリアのニュースサイトがインタビューしたのです。
"Der Krieg hat unser Land zerstort, aber dem Fusball geholfen" 「戦争のために故国は破壊されたが、サッカーは救われた」 記事は6月15日の記事ですから、「翻訳もW杯前に載せろよ」と怒られそうですが・・・

(注:リンク、トラックバック、引用は出典を明記した場合に限りフリーです。出典を明記せず、または管理人の承諾なく一部ないし全部を転載することは、これを禁じます。コメントから連絡ください)

<開始>
ボスニア・ヘルツェゴビナの人口は380万人。オーストリアの半分にも満たない。これまでに、欧州のこのような小国がW杯予選を勝ち抜いて本大会に進出したことはない。シュトゥルム・グラーツ元監督のイヴィツァ・オシム(73)はボスニアサッカー界の影の実力者だ。民族的に壊滅した彼の母国において、復活の神話となっている。ノーベル平和賞の声も挙がっている。あれ以来、彼はインタビューを嫌がっていた。しかし、いったんギアが入ると、彼は多くを語った。本サイトはボスニアサッカー界の栄光の時代を明らかにする。暗澹たるバルカン戦争はボスニア・ヘルツェゴビナを破壊したが、サッカーを救ったのである。

(N)オシムさん、お体の具合はいかがですか?
(オ)全然だめですね。ですが、まだ生きています。まだサッカーを観ることができれば、何の問題もありません。ところで、オーストリアとチェコの試合はどうなりました?
(N)ひどかったですが、2対1で勝ちました。
(オ)少なくともいい結果ですね。個人的にはコラー氏を知りませんが、どういう方かは存じています。彼は、素晴らしいスイス人の監督の一人ですし、ドイツでも何チームかで監督をしましたね。
(N)ところで、あなたにお願いしたインタビューの真意はオーストリアのサッカーではありません。人口がオーストリアの半分にも満たないボスニア・ヘルツェゴビナが一体なぜサッカーで成功しているのでしょうか?
(オ)戦争はわが国を破壊しましたが、サッカーを救ったのです。若い選手たちは避難民として外国で育ちました。彼らはドイツやオーストリアで育ち、規律を学び、戦術的によくなり、技術的にもよくなりました。ですから、ナショナルチームには完成した選手たちがいるのです。殆どがドイツ出身です。これは大きく作用しています。若者たちはサッカーに夢中です。
(N)民族問題と、酷い市民戦争後にほぼ10万人を超える犠牲者が今なおいる不安を克服するのにサッカーは役に立つのでしょうか?
(オ)もちろんですとも。選手たちはチームとして一緒に生活しますが、そうすると、こうした微妙な問題について話をしやすくなります。選手たちの民族的出自は様々ですが、良いチームメイトになりました。政治家よりも相互理解をしていますよ。わが国の代表チームはかつてのユーゴスラヴィアのように再び多民族チームになったのです。3つの民族、3つの宗教、3つの政党が混在しています。サフェト・スチッチ監督は旧ユーゴスラヴィアで私が監督時代にプレーしましたが、チームに良い雰囲気をもたらしました。ボスニア人、クロアチア人、セルビア人には問題などないのです。選手たちは最初は寛容で、今ではいわば自然な流れになっています。彼らはほかの民族、他のSOS子どもの村、他の赤十字に協力しています。特に、ジェコのように他の選手よりも収入の多い選手たちはたいへん協力的です。
(N)スルプスカ共和国はボスニア・ヘルツェゴビナ国家の中の国家ですが、自国の代表チームを望んでいるのではないですか?
(オ)スペインにおけるカタロニアやバスクのようなものです。彼らは自分たちのチーム、自分たちの独立した国家を望んでいます。そう、確かにセルビア人については問題が生じることもあります。それを除けば、皆よき隣人であり、サッカーはしっかりと発展しています。マケドニア、クロアチア、モンテネグロ、スロベニアも。
(N)W杯での展望はいかがでしょうか?
(オ)チャンスはないでしょう。目標はグループ2位です。決勝トーナメントに進出するには、月曜日の初戦で、グループで最も強力なアルゼンチンに引き分けねばなりません。かつ、イランかナイジェリアに勝たねばなりません。ですが、わが代表チームはまだ伸びしろがあり、決して今よりも悪い状態にはなりません。
(N)今回のW杯でしゃ、新しい戦術、新しいプレースタイルに驚くことになるのでしょうか?
(オ)W杯においてはサッカーがどの方向に発展していくのかが示されることがしばしばあります。戦術的にも技術的にもです。もっとスピードを増すかも知れません。W杯の問題ではありませんが、将来、コストを下げてもやっていけるように学ばなければなりません。
(N)W杯をどのように楽しまれますか?ご自宅で、お友だちと、でしょうか?
(オ)最高なのはグラーツに行って、下の息子のところでゆったりと観ることです。そこでは誰も邪魔をしませんし、記者の質問に答えなくても済みます。ここサラエボでは、日本代表について意見を聞きたい日本の記者さえやってきますからね。日本では脳梗塞になる2007年まで代表監督でしたから。
(N)いわゆる正常化委員会の代表として、ボスニア・ヘルツェゴビナに対するFIFAの制裁が解除されるのに大いに貢献されました。これからもサッカー協会のために活動されますか?
(オ)サッカー協会ではこれまでと違った課題があります。今はある顧問団に入っています。正しくないことが起きたら、その問題を解決しなければなりません。
<終了>

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