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鋭読 ~英独のニュースから世界を読む~

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イギリスは安倍政権の女性登用策をどう見ているか?

このブログをアップすることには安倍内閣の改造人事が決まっていることでしょう。今回の目玉は、石破幹事長の扱いだと言われていましたが、それもさることながら、女性を6名登用する、という前提であったように思います。なぜ6名? 6名起用することは伝えても、ゴリ丸の疑問に答えてくれるものはありません。

1.なぜ「女性」に改めてこだわるのか? こだわること自体が性による区別ないし差別ではないか?
2.6名ありきなのか? 優秀な、閣僚に起用すべき人材なのであれば、7名でも8名でも構わないはず。閣僚に値する人物がいなければ、ゼロでもおかしくないはず。要は人物とその政策本位の登用ではないのか?

ジャーナリズムはこうした疑問には答えません。少なくとも日本では答えられないのです。記者クラブに所属して、政府の公式非公式コメントを垂れ流している大手マスコミにはそんなことはできるはずがありません。彼らにできることはせいぜい人事のすっぱ抜き程度です。ここ最近の大手新聞やテレビのニュース解説を見れば一目瞭然です。「安倍首相は(自民党は)・・・・・・という狙いがあるものと思われます」といったコメントのオンパレード。その内容が本来妥当なのか、理不尽なのか、はたまた自民党の奢りなのか、そもそもどうあるべきなのか・・・といったジャーナリストとしての見解が述べられる余地など全くありません。強いて挙げれば、TBSの「ひるおび」で評論家が、「おかしい」発言を少々していましたし、司会の恵くんも頑張ってそうした趣旨の発言を「素朴な疑問」として呈していました。

さて、海外メディアはどう見ているのでしょうか? 上記のゴリ丸の疑問や不満に真正面から答えたとは言えないのですが、イギリスの『Telegraph(テレグラフ)』の記事「安倍晋三が、女性が日本経済を救うと考える3つの理由」"Three reasons why Shinzo Abe thinks women will save Japan’s economy"を紹介します。

(注:リンク、トラックバック、引用は出典を明記した場合に限りフリーです。出典を明記せず、または管理人の承諾なく一部ないし全部を転載することは、これを禁じます。コメントから連絡ください)

<開始>
日本の首相は日本経済の抜本的改善に意欲を燃やしている。女性の議会における抜擢に焦点を当てるのに、現在が本当に適したタイミングなのだろうか?

日本の首相、安倍晋三は、第二次世界大戦以降の主だった政権として、現在の内閣の改造なしの最長記録に終止符を打ち、3日に新内閣を決めるとみられている。安倍首相は、内閣に現在は2名の女性がいるが、これを新しい18名の強力な内閣においては6名にし、これに準じて、企業経営者のうち、昨年は7.5%だった女性を2020年までに30%にしたいと語った。
GDP、消費支出、企業投資、言うまでもなく安倍首相の国内支持率、これらがすべて下落している状況下で、女性問題が安倍首相の優先度リストにおいて第一位にならなければならないのだろうか?彼はそう考えているようだ。昨年彼は、彼の経済回復政策の中心として「女性が輝く社会」の創成を強調し、これを「最優先課題」と呼んだ。
以下が理由だ。

1.世界で出生率が最も低い国のひとつであり、したがって高齢者人口が多い国の一つである日本は、引退する労働者の代替労働力が不足しているので、労働力が減少しないための対策が必要だ。OECDによると、日本では2013年に15才から64才の男性の84.6%が就労しているのに対し、女性は65%だ。「ウーマノミクス」を主張するゴールドマンサックスジャパンのストラテジスト、キャシー・マツイによると、女性の労働参画が男性並みに上がれば、日本のGDPは13%上がる。昨年のウォールストリートジャーナルに安倍首相が署名記事を書いた際に引用したように、マツイは女性の就労が出生率の低下ではなく上昇を促すと考えている。
(訳注:ここでG7における女性の労働参画の比較グラフが示されている:カナダ、ドイツ、イギリス、アメリカ、フランス、日本、イタリアの順)

2.女性が就労するだけでは十分ではない。日本では経営トップに女性が就くことが必要だ。産業界における女性のための非営利団体カタリストの最近の報告によると、日本では役員に占める女性の割合が1.1%で、これはインド、バーレーン、UAEよりも低い。一方、アメリカでは16.9%、イギリスでは20.7%、ランキング1位のノルウェーでは40.5%だ。より多くの女性役員を雇えば、企業革新が推進され、企業価値と資産利回りが増すという研究も数点見られる。すなわち、2013年のマッキンゼーレポートで、女性の64%が性別多様性はビジネスに効果があると考えているのに対して、男性は40%がそう考えているということを男性は覚えていないのだ。フォーブスは企業経営および議会における女性の割合において、日本は最低の5カ国の一つとしている。政府の女性メンバーである小渕優子は、内閣に女性を登用することが日本株式会社に「メッセージとなるだろう」と語っている。
(訳注:ここで役員に女性が占める割合のグラフが示されている:ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、イギリス、フランス、バーレーン、UAE、日本、カタール、サウジアラビアの順)

3.安倍首相は女性の労働参画を推進する施策をとってきたが、世界経済フォーラムの世界性差レポートによると、2010年以来、日本のランキングははっきりと下がっており、2006年のレポート開始以来、136カ国のランキングにおいて、ここ数年間、最低の105ポイントに停滞している。政府高官への女性登用推進はもっと効果的だ。国際通貨基金のある報告書によると、児童保育を拡大し、税制優遇を促進し、健康管理のような他の女性労働問題や性別賃金格差を浮かび上がらせる政策転換は、他の経済改革に比べると簡単に達成できる目標であり、女性の議会進出促進はさらに簡単につかみ取ることができるのだ。研究によれば、女性の政策立案者の数が増えれば、公衆衛生支出ははっきりと増加するし、性別による平均余命の差異をさらに狭めることにつながる。

安倍内閣における女性の割合は誰の目にも明らかな優先政策ではないように思われるかもしれないが、より広範な経済改革を実現するためのカギとなり、また、日本人女性にとっては、いわゆる東洋人に対する目に見えない壁(竹の天井)を打ち破る手助けになるだろう。そして、もし安倍首相が3本の矢の政策をうまくコントロールできるのであれば、一石二鳥の成果を得られるであろう。
<終了>

<ゴリ丸の独り言>
選挙や内閣改造になるとホントにがっかりします。能力や政策もさることながら、「適齢期」で内閣人事がおこなわれるのですから・・・ でも、(自民党に限らず)政治家を選んでいるのはわれわれ国民です。この国民にして、この政治が妥当だという意見にはぐうの音も出ません。
内閣や会社役員を増やすことによって日本社会における女性の登用について改革を起こそう、というのが安倍首相の目論見のようで、それに対して『テレグラフ』は一石二鳥の効果があると言っています。
しかし、考えてみてください。政府が「こうしよう」と言えば、たしかに経済界は無視するわけにはいかないのですが、それって自然なのでしょうか? 安倍晋三の目論む、上から目線の、自民党が導く社会を皆さんは望んでいますか?

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