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鋭読 ~英独のニュースから世界を読む~

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検証 朝日新聞の記事通りに海外メディアと日本メディアは違うのか

今日付けの朝日新聞に「内外メディア、反応に温度差 閣僚が在特会元幹部と写真」という記事が載り、『海外メディアは「安倍首相の頭痛の種」などと指摘。だが国内メディアの反応は概してにぶかった。この「温度差」はなぜ生じたのか。』と論じている。
海外メディアの記者たちにインタビューするとともに、日本人には人種差別に対する意識が弱いとする識者の意見を紹介しています。
さて、朝日新聞の報道の真偽はいかに? というわけで海外メディアの報道ぶりを探ってみましたところ・・・

1.確かに、朝日も報じている「インデペンデント」、「エコノミスト」(いずれもイギリス)、「デイリー・ビースト」(アメリカ)などが本件を報じていますが、それ以外の件数は決して多くありません。
2.実は、朝日新聞、ジャパンタイムスなど、日本で発行された英字新聞の記事が本件を詳細、且つ多くの記事で報じています。

一方、国内メディアはいつもの通りで、朝日によると「淡々と」報じているだけです。

日本と外国(特に欧米)の間には、民主主義、人権、人種差別に対する意識の差が大きいことは確かです。歴史の差、人種差別を巡る闘い(=克服)の歴史の差が主な原因と思われます。残念ながら、日本が遅れていると思います。

ホントウに記事のニュアンスに違いはあるのでしょうか? 検証しましょう。
というわけで、「インデペンデント」の記事 "Japan’s cabinet rocked by new claims of links to neo-Nazis who target the ethnic Korean population" 「日本の閣僚が、在日朝鮮人を標的としたネオナチとのつながりを新たに糾弾される」を訳します。

(注:リンク、トラックバック、引用は出典を明記した場合に限りフリーです。出典を明記せず、または管理人の承諾なく一部ないし全部を転載することは、これを禁じます。コメントから連絡ください)

<開始>
日本政府は人種主義とヘイトスピーチをあおりたてる極右グループとのつながりに対する非難にさらされている。国家公安委員長を含めて、安倍晋三政権の中には極右の人物と一緒に写っている写真が流出したためにネオナチとのつながりを否定せざるを得ないよう追い込まれているものがいる。
最新の情報では、国家公安委員長の山谷えり子が、朝鮮人に対するあらわな人種主義を吹聴している極右グループの元代表と15年来の交際があったとの非難を否定している。
このグループ、在特会は在日朝鮮人を追放するように日本政府に求めている。メンバーは12000人おり、日本の都市にある朝鮮人コミュニティに押しかけ、「ゴキブリ」や「朝鮮人を殺せ」といったスローガンをがなり立てる。
警察はおおむね黙認しているが、7月に大阪高裁は在特会に対して、北朝鮮とつながりのある京都の小学校に対する街頭演説を中止するように命じた。
今月になって、2009年に山谷委員長が在特会元会長の増木重夫と写っている写真と、増木氏が山谷委員長と15年来の友人であるとの記事を掲載した雑誌が出された。しかし、日本外国特派員協会は、山谷委員長が増木氏とどこで、何度会ったか「記憶にない」と報じた。
自身が在特会と無関係であると釈明する際に、山谷委員長は特定のグループについてコメントするのは「不適切」だと語り、その代わりにジャーナリストたちに日本の価値を説こうとした。「日本というのは和を持って尊しとする一人ひとりの人権を大切にしてきた国柄でございます。」と彼女は語った。
日本には約50万人の在日朝鮮人が居住しているが、これは何十年も前にはより大きなコミュニティを形成していたものの残りだ。彼らは永らく人種差別の対象となってきた。酷い例としては、関東大震災後の虐殺によって数千人がリンチにあったことがある。
安倍新内閣には、他にも二人がネオナチとのつながりを糾弾されている。高市早苗・総務大臣と稲田朋美・自民党政調会長はそれぞれ別の写真で、国家社会主義日本労働者党の山田一成代表と日付不明の写真にうつっている。
ネット上の映像では、山田氏は鍵十字を模した服を着て街頭デモをしている様子がわかる。高市大臣は、1994年に出版されたヒットラーの選挙戦略という題名の書籍を宣伝する雑誌にも登場している。
安倍内閣の極右的なプロフィールには驚かされる。16名の閣僚が、みんなで靖国神社(戦犯で罰せられた指導者たちを祀る東京の神社)に参拝する国会議員の会に加盟している。16名が「伝統的価値」への回帰を主張し、日本の戦時中の悪行に対する「謝罪外交」を否定する国家主義的シンクタンクである日本会議を支持している。
多くの閣僚が、日本の軍国主義時代を称賛する歴史教育を望む議員連盟に加入している。彼らは多くの戦時中の残虐行為を否定している。閣僚の大半は、伝統的価値を広めようとする右派のロビーグループである神道政治連盟国会議員懇談会とも関係がある。
8月に安倍首相は「祖国の礎」となった戦犯を含めた戦士たちに敬意を表して物議をかもした。この敬意は、第2次世界大戦で戦った1千人の「殉死者」を祀るモニュメントがある寺院に向けて送られた。広報によると、安倍首相のメッセージは「私人として」送られたということだ。
<終了>

【ゴリ丸の独り言】
「インデペンデント」はたいへん疑問視していますし、批判的なニュアンスがてんこ盛りです。

この記事から2つのことがわかります。

1.日本メディアは政治家、政党を過剰に恐れていること
この記事を書いたデビッド・マクニール記者に朝日新聞がインタビューしていて、『一部メディアが安倍政権のサポーターのようになる中、日本のメディア全体が権力批判に過剰に慎重なように見える』というコメントを載せている通りだと思います。

極端に言ってみれば・・・
ある政治家の言動をメディアが批判したとします。世論を味方につけた場合は何ら問題ありません。もしそうならなかった場合、政治家、その政党はどうするか? 
その記者、メディアを相手にしません。取材に応じず、情報を提供せず、場合によっては記者会見や「ぶらさがり」から締め出すことさえ厭いません。メディアはそれを恐れますから、正面切って堂々と批判を展開しません。

本来、ジャーナリズムとは、そうしたことに対して毅然と戦い、自ら情報を探り、真実を探求するべきものです。

2.冒頭にも書きましたように、残念ながら人種差別に対する日本人の意識の低さです。歴史的背景もあるでしょう。
ゴリ丸は、決して自虐史観に立っているつもりはありません。自国の歴史を(喜んで)否定するには、イデオロギー的に固定観念を持っていないとできないことです。ですが、差別克服を獲得した文化と、差別解消をお上に与えられた文化では根本的に違う、というのが現実ではないでしょうか?

いずれにしろ、日本のジャーナリズムはこのままでよいのでしょうか?
~この稿おわり~

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