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鋭読 ~英独のニュースから世界を読む~

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女性2閣僚の同日辞任をニューヨークタイムズはどう報じたか?

やっぱり触れないわけには行きません。ゴリ丸は海外メディアの報じる内容、その視点を紹介してきたのですから。

今回は『ニューヨークタイムズ』の "Two Women Exit Japan’s Cabinet, in Crisis for Abe" 「安倍首相の危機に、2人の女性閣僚が辞任」
それにしても、なんと古式然とした選挙体質なんでしょうか。公職選挙法や政治資金規正法はどんどん改正されているというのに、まだこんなことをしていたこと、こんなことをしていて批判を受けるわけがないと思っていたことに呆れ返ります。

(注:リンク、トラックバック、引用は出典を明記した場合に限りフリーです。出典を明記せず、または管理人の承諾なく一部ないし全部を転載することは、これを禁じます。コメントから連絡ください)

<開始>
月曜日、2人の女性閣僚が別々の選挙運動にかかわるスキャンダルで辞任した。これは、安倍晋三首相にとっては政治的ダメージという点で、また、彼が掲げた2つの政治目標、すなわち女性登用と原発再稼働にとって、時期が悪い。
両名は安倍政権の中において、また、内閣への女性登用という点でも、5名と多い、先月登用した女性閣僚のうちで最も注目を集めていた2人だった。
一人は、元首相の娘で人気のある小渕優子。彼女は、日本で稼働がストップしている原発の再稼働を懐疑的な国民に説き伏せる役割を主導すると見られていた。
閣僚によるスキャンダルは、成長戦略のためのアベノミクスが失速する兆候を見せ、攻撃を受けやすいこの時期に、安倍首相をつまづかせるものだ。
今月、国際通貨基金は、今春の消費税増税が予想以上に消費支出に影響を与えていると、日本の成長予測を変更した。
今回の辞任は、2012年12月に政権に就いて以来、比較的高い支持率を得てきた安倍首相が直面する初めての政治的危機でもある。短期政権が珍しくない日本においてさえ、前代未聞のスキャンダルのために両閣僚が同じ日に辞任したため、国内のメディアは7年前の安倍政権の際に政治スキャンダルが連続した末に辞任に追い込まれたという不吉な比較に駆り立てられている。
小渕氏の支持団体が支援者を劇場に連れて行くために政治資金を使い、小渕氏の義兄が経営するブティックでハンカチやネクタイを購入して支援者に配ったかも知れないと暴露されると、経産相を辞任すべきとの声が高まった。
野党は政治資金のこのような使途は買収にあたる可能性があるとしているが、小渕氏は月曜に行った辞任会見でこれを否定した。
小渕氏は、日本初の女性首相になるように教育を受けていた穏健派だが、日本にある48基の原発のうち、2011年の福島原発事故以来稼働していない何基かを遂に再稼働させるよう国民の支持を取り付けるという、安倍政権における最も厳しい任務を与えられていた。
「安倍内閣の一員として経済再生、女性の輝く社会の実現に対し、何一つ貢献できなかったことを心から申し訳なくおわびを申し上げる。」小渕氏は安倍首相の政治スローガンを繰り返しながら語った。
もう一人は松島みどりで、選挙民にうちわを無償で配布したことは、選挙民に有価物の配布を禁じた政治資金規正法に違反している可能性があると批判を浴びて法相を辞任した。
うちわの価値が低いことは明らかだが、野党は、遵守を誓った法を犯すことは、とりわけ法相としてあるまじきこととして松島氏への捜索を要求していた。
政治的ダメージが拡大しないように、安倍首相は辞任を受理し、速やかに後任を指名したが、両名ともに安倍首相が率いる自民党では比較的無名である。そのうちの1名は女性だが、安倍政権の女性閣僚の数は、これで4名に減った。
他の3名の女性閣僚も、自身が起こした、より小さな問題によって攻撃を受けている。日本の警察権力をつかさどる国家公安委員会の山谷えり子委員長は、在日朝鮮人に対するヘイトスピーチで告訴されている超国家主義的グループである在特会のメンバーと写真に写っていたことで批判されている。
高市早苗総務相と男女共同参画担当相の有村治子も、極右的見解を持っているために批判を受けている。
先週の土曜日、両名は山谷氏とともに、安倍内閣の重要閣僚として靖国神社の秋の例大祭を訪れた。処刑された戦犯を含めた日本の戦没者を祀る神社を訪問したことは、安倍首相が中国の習近平総書記と首脳会談を設定しようとしている時期に、中国の大いなる不満を引き出すこととなる。
<終了>

【ゴリ丸の独り言】
まず、最後の方で山谷委員長、高市大臣、有村大臣について触れられていますが、これは他紙でも同様です。
『ガーディアン』(イギリス)、『シュテルン』(ドイツ)、『シュピーゲル』(ドイツ)ではいずれも、高市大臣と自民党の稲田朋美政調会長がネオナチグループの代表と、さらに山谷大臣が在特会の元会員と写真に写っていたことが触れられています。(『シュピーゲル』に見られるように、ネオナチと在特会が一部混同して伝えられているものもありますが、事実は、高市大臣と稲田政調会長がネオナチと、山谷大臣が在特会との写真に写っていたのです)また、靖国神社例大祭を訪れた高市、山谷、有村の3閣僚について触れている記事も見られます。

民主主義を生んだ欧米では、この手の問題を政治スキャンダルとして辞任に値するものと捉えます。
国によってスキャンダルの見方は異なりますが、ネオナチやヘイトスピーチを行うような集団と一緒に写真に写るなど、欧米では閣僚は言うに及ばず、政治家として認められません。なぜならば、ネオナチズムもヘイトスピーチも西欧型民主主義の根幹をなす基本的人権を蹂躙するものだからです。ですから、欧米では「知らなかった」は通用しないのです。
また、靖国神社参拝も欧米の理解を得られません。戦勝国による東京裁判で戦犯にされたのであって、日本のお国のために死んだ人を敬って何が悪い、という主張は、欧米相手には通用しません。戦勝国のみならず、ドイツでも通用しないのです。第2次世界大戦後の価値基準をすべてないがしろにしかねないからです。(当たっていますね。安倍首相は「戦後レジームからの脱却」、つまり戦後の、戦勝国を中心に確立された価値基準を破壊したいのですから。)したがって、欧米のジャーナリズムから見れば、高市、山谷、有村、稲田各氏はultra-right(極右)の思想を持ち、その行動は政治家として失格である、しかし日本ではそうならないというのが「常識」なのです。

次に、小渕氏や松島氏のスキャンダルの内容です。いずれも選挙資金の使途、使い方の問題ですが、支持者に観劇させるとか、(なぜかあまり問題にされていないのですが)野球観戦させるとか、うちわを配るとか、日本でも数十年前まで行われていたことではありますが、今ではすたれたやり方です。これ、非常にアジア的で、欧米では想像できません。あるスリランカ出身の外国人特派員が荒川強啓のラジオ番組「デイ・キャッチ」(TBS系列)で言っていましたが、選挙にかかわる、こうした買収は今やアジア独特のものです。地縁が強いせいでしょうか。

いずれにしろ、「日本には民主主義が根付いていなくて、よくわからん国」という見方に拍車がかかるのではないかと懸念されます。さらには、安倍政権が揺らいでいることに懸念が持たれています。経済は行き詰まり、スキャンダルを抱え、隣国との関係は改善しない・・・ いつか歩んできた道のように見られても仕方ありませんね。
~この稿おわり~

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