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鋭読 ~英独のニュースから世界を読む~

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ドイツ株式市場に蔓延する不安感

株式市場の動きがどうもヘンです。どーんと下がったり、持ち直したり・・・世界の様々な不安要素が複層化しているからでしょうし、エボラ出血熱がどの程度でおさまる見通しなのか、おさまらずに世界を混乱に陥れるのか、という不安も大きなインパクトを与えています。

10日前の記事ですが、ドイツの『ヴェルト』から "Die Angst der Anleger vor dem Horrormonat Oktober" 「恐怖の月、10月に対する投資家の不安」をご紹介します。
それにしても、"Horrormonat" って初見です。英語からきた"Horror"(恐怖)とドイツ語の「月」の意味の"Monat"をくっつけた合成語です。もちろん独和辞書は言うに及ばず、独英、独仏の辞書にも載っていません。ゴリ丸は株式市場に詳しくありませんが、10月って不吉なのかしらん???

(注:リンク、トラックバック、引用は出典を明記した場合に限りフリーです。出典を明記せず、または管理人の承諾なく一部ないし全部を転載することは、これを禁じます。コメントから連絡ください)

<開始>
数週間もたたないうちににドイツ株価指数は約1000ポイント下落した。元来10月は市場が弱含みなのに、今月はまだ続く。投資家はどう対応すればよいのか。

10月は株式市場の大幅下落に見舞われている。1929年のブラックフライデーも1987年のブラックマンデーも、好調から一気に急落して始まった。2008年の史上最悪の株価暴落も10月だった。
そもそも今年は投資家にとって良い年ではないようだ。株式指数は数カ月来9000ポイントを明らかに下回っており、10日金曜日には過去1年間で最低の8788ポイントとなった。同時にユーロ相場は今年の底値を更新していて、1.27ドルを下回っている。

この新たな下降スパイラルの原因は何だろう? 預金者、投資家はどうすればよいのか?

ドイツ株価指数下落の原因は?
過去数週間、株価市況は世界中で圧迫されている。根本的な原因は、米連邦準備銀行が通貨政策を次第に縮小するという見通しによるものだ。債券購入はじきに満期を迎え、しかも来年にはプライムレートが上昇する。つまり、通貨の飽和状態は過去のものとなり、それにしたがって株式に流れる資金が減少する。
いずれにしろ、ドイツ株式市場は特に下落が激しい。これは、ドイツ経済の指標悪化によるものだ。ここ数週間で明らかになったように、8月の工業生産と輸出は壊滅的な状況だ。これによって、第3四半期の経済は縮小する可能性がある。つまり、ドイツは第2四半期に経済生産が減退したために景気が後退した状態だ、ということを意味している。2四半期連続してマイナスになったためにエコノミストは不況だというのだ。
その他のEU諸国でも状況がドイツよりも良いとは思えない。いずれにおいても景気指標は失望させられる状態だ。しかも世界経済をさらに動かしていく中国が、ここ最近は悪い数字を示している。まとめると、米英を除くと、世界中で比較的景気が悪いようだ。ドイツは特に輸出に依存しているため、株式市況が特に急落している。地政学的紛争およびエボラ出血熱の拡散は投資家の神経をさらに逆なでしている。

ユーロ相場はなぜ下落しているのか?
欧州中央銀行(ECB)はすでに6月からEU圏における劣悪な経済状況に対応しており、プライムレートを2段階目の0.05パーセントに下げ、中銀預金金利を引き下げた。
ECBは資産担保証券を買い上げ、民間銀行のバランスにおいて追加融資を受ける余地が出るようにすると明らかにした。また、この間に多くのウォッチャーたちには、ECBが失望のあまり国債さえ買い付けるように思われている。
これが最終的に景気押し上げに効果があるのかどうかは、わからない。それでも確かなのは、世界の資本の流れが劇的に変化していることだ。金利が下がり続ける欧州から資金は流出し続けており、傾向として金利が上昇すると考えられる米国にますます流入している。それによってドル相場は上がり、ユーロは下落している。
5月以来、ユーロ相場はほとんど1.4から1.25ドルに下落した。かつ、この傾向は相当続く可能性がある。ドイツ銀行は、2017年までに1ユーロ0.95ドルまで下落すると見ている。その原因として、ユーロ圏始まって以来最大の資金流出が起きるからとしている。

これらは株式騰貴への入口なのか?
だが、評価は逆だ。営業利益に対する株式市況の関係はとりわけ米国において非常に高い。大西洋の彼岸では評価がいくぶん欧州よりも低く、その分、欧州では景気がより悪い。今日、株価については歴史的経験が役に立つ。というのは、米国では利上げが間近であり、たいていの場合、それに対して株価が明確な損失を以て反応することを歴史は物語っている。
しかし、その後にはより長期の、株式により利益が上がる時期が続く。それでも二者択一の疑問は残る。欧州では金利が史上最低のレベルだ。10年物独連邦債の利回りは0.9パーセントを超えたことがない。一方、多くの株式については、3~4パーセントの配当を付けている。しかも、この、ゼロ金利と非常に魅力的な配当の関係はあと数年間は続くと見られている。
したがって、現在の株価が底値を打ったのか、さらに下落を続けるのかは予測できず、理想的な時期はわからないのだ。しかし株式はそもそも魅力的だ。投資家は段階的に投資すべきであり、一挙に全予定額を投資すべきではない。

株価大暴落から身を守るにはどうしたらよいのか?
株価大暴落は予言できず、大概は突然やってくる。最善の防御策は、株式を長期にわたって保持し続けることだ。資金を10年間株式に投資するものは、歴史上、多額を喪失することがほとんどない。長期的に振り返ってみれば、1987年の暴落はちょっとした出来事に過ぎない。暴落のわずか2年後に、損失は補てんできたのだ。
それでもなお株式市場において起こりうる将来の暴落から身を守りたいのであれば、短期債を買えばよい。株価が下がると値が上がるからだ。借入資本利用の短期債は、第三債務者によって暴落しても2パーセント以上の利回りを得ることができ、危険を小さいままにしておくことができる。いずれにしろ、暴落が回避され、むしろ市況が値上がりした場合、借入資本利用は投資家に対してさえ不利に作用する。その場合、短期債の価値は急速に下がる。そもそも、投資家はこうした短期債を一か八かではなく、ある種の火災保険のようなヘッジとして利用すべきだ。消防当局でさえ、ボーナスを支給するが、それでも損害事故が起きなければ喜ぶのだ。

下落するユーロで利益を得るには?
独企業は、ユーロの価値下落に対してどう備えるのかを示している。ジーメンス、メルク、バイヤーなどのコンツェルンは米企業を買収したのだ。それによって彼らは今やドル圏におり、そこで得られるユーロ換算した利益によって、さらなる下落をさらに価値あるものとしている。
同様にドイツの投資家も米株式を買うことができる。ドイツではドル換算の指標株式が数多く導入されている。しかし、MSCIワールド・インデックスの指標株式のような、世界中の債券を購入する者でも、為替リスクをさまざまな工夫によって分散している。
どの通貨で投資するかが株価の変化にどのような影響を与えるのかをみるには、ドイツ株式指数と米国のインデックスであるS&P500を比較すればわかる。今年初めからのドイツのインデックスは約7%下落しているが、S&P500はユーロに換算するとほとんど15%プラスとなっている。8%の差はすべてドルの高騰によるものだ。
同時に、ユーロを持つ悲観主義者はすぐに行動主義者になってはならない。警戒しながら、ユーロが下落したときに価値が上がっている短期債を買うのだ。

それでも金は確実な逃げ場なのか?
多くの投資家はここ最近、価格下落のため、金から逃避している。それでも価格はドル建てに限っての下落だ。これに対し、交換レートの変遷によって、ユーロ建ての金価格は年初から10.6%のプラスに振れている。であるから、投資家は貴金属を見限るのではなく、そのものとして、つまり一種の保険として見るべきであろう。
金を所有する主要な同機は、為替利益を賭けるためではなく、通貨不安などの危険に備えておくためとすべきである。貴金属は5千年来、通貨や価値交換の手段として使われてきており、今後5千年も確実な逃げ場としてその機能を果たすであろう。
<終了>

【ゴリ丸の独り言】
ドイツでは経済状況の悪化に対する懸念が日増しに大きくなっていると見られます。この記事は掲載された10月14日には一面トップでした(電子版)。
記事でも触れられていますが、「地政学的紛争」、つまりイスラム国を含め、宗教や民族、地理が複雑に絡まり合った地域で紛争が絶えません。これは世界経済にとって、決してプラスには作用しません。その意識はアジアよりもアフリカ、ヨーロッパでより大きいでしょう。また、同様に、エボラ出血熱が世界経済に与える恐れも無視できません。さらには、中国経済もリーマンショック以来の低成長率が発表されました。輸出に依存しているドイツとしては、やきもきしているのが現状でしょう。
と、ここまで書いてきて、どこかの国も同様なことに気づきませんか?しかも、いずこにおいても状況が好転する要素が今のところ見つかっていません。本来ならば、しっかりとした政策によって、この状況を何とか乗り切ることが必要でしょう。
この記事では、個々の投資家たちがどのような心構えでいればよいのかが解説されています。要は、短期的な利益や不安に左右されずに、という古典的なアドバイスです。そうできる「体力」(「胆力」かな?)があれば問題ないのですが、そううまくはコトが運ばないのが世の常。
これは国政レベルでも、ある意味では同様なのでしょう。日本ではアベノミクスの失敗が取り沙汰されています。インフレターゲットを設定し、通貨の量的緩和を実施すると、短期的には市場に通貨が溢れ、円安になり、輸出業種は活性化し・・・と一見するとプラスのスパイラルが続きそうに見えたのですが、輸入コストは日増しにボディーブローのように効いてきて、世界に渦巻く様々な不安要素、諸外国の諸事情、予想外の自然災害なども加わり、現状の日本経済は不安要素だらけです。
アベノミクスが成功したか失敗したかもさることながら、日本経済の現状をしっかりと把握し、むやみに意地になって、政策は失敗していないなどと言わず、虚心坦懐に対策を練ることが必要ではないでしょうか?
~この稿おわり~

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