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鋭読 ~英独のニュースから世界を読む~

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外国人にとって東京は暮らしやすい?

社会的な「格差」は様々なところに生まれます。よく挙げられるのは、GDP(国民総生産)の差ですね。国別で言うと、日本は第3位(第1位はアメリカ)。ところが一人当たり名目GDPとなると、第24位(第1位はルクセンブルグ)。ザックリ言えば、日本は国としては結構経済力があるけれど、国民一人当たりの生産性では、そう高くない、といったところでしょうか。
一方、家賃や消費財の物価などの生計費にも差が出ます。これは、生計費指数として「一定の標準の生活を営むために必要な費用の変動を示す数字で,特に勤労者の生計費に基づいて算出」されて、世界の諸都市の比較がいくつか発表されています。様々な係数から生計費指数を算出して諸国間の比較をすることは、海外に職員を派遣する場合の給与を決めるひとつの基準にもなっています。有名なところではMercerExpatistanでしょう。
東京は、かつては生計費が高くて、世界の諸都市と比較しても暮らしにくいと言われていました。住宅事情の影響もあるでしょう。最近ではどうなんでしょうか? まあ、環境が非常に悪い中国(北京や上海など)は別としても、なんだか暮らしにくいんじゃないかという印象が強かったのですが、外国人に言わせるとそうでもないようなんです。
今日はイギリスのBBCのウェブサイトから "Living in: Tokyo" 「暮らし:東京の場合」をご紹介します。

(注:リンク、トラックバック、引用は出典を明記した場合に限りフリーです。出典を明記せず、または管理人の承諾なく一部ないし全部を転載することは、これを禁じます。コメントから連絡ください)

<開始>
そこに住む人々からは、多種多様でトレンドを生み出す住民と、その未来を彷彿とさせる風景から「多くの顔が混ざった」とか、「ブレードランナーをディズニーがリメイクした」と呼ばれる東京は、多岐にわたるエネルギーに満ちている。だが、東京は世界で最もせわしない都市のひとつであるにもかかわらず、よそものと外国から移住した人には最も親切な街でもある。
「多くの東京人は外国人と日常的に出会うので、観光客に対して親切でがまん強い」とアメリカ人のナターリア・ドーンは言う。彼女はかつて東京に住んだことがあり、「日本で働き、旅をし、勉強する方法」の著者である。特に英語を話す人は今後数年のうちにもっと気持ちよく過ごせると期待できる。「2020年のオリンピックに備えて、東京は英語教育にさらに力を入れている」とドーンは言う。
東京は世界で最も安全な都市でもある。「スターバックスで席を取るためにテーブルに財布を置いておくんですよ」イギリス人で、東京に5年間暮らしていて、「Tokyo Cheapo.com」というサイトを立ち上げたクリス・カークランドが言う。一般的に言えば、住民は個人のスペースとプライバシーを尊重し、公共のスペースは驚くほど清潔だ。
しかし、こうした特徴は、東京が退屈な町だということを意味してはいない。結局、東京は最新のカフェのトレンドよろしく、客が動物とたわむれているところだ。「中心部には、朝5時まで開いているクラブ、バー、ヤギカフェがあります」とカークランドは語る。「夜になってお酒が入ると、ちょっとくだけてきます」とりわけ、渋谷界隈は終日にぎわっていて、10代から20数歳までの人たちに人気がある。

どこに住むか?
カークランドによると、東京に移住しようとするならば、中心街だけを考えるようにすべきだ。「東京郊外は、非常に高齢化しているので、外国人にはとても退屈で孤立してしまう」と彼は言う。また、列車は終夜運転していないので、夜遅くまで外出するのは勇気がいる。「唯一の例外は、鉄道の終点近くに住むことだ。そうすれば、日中ならば市内へのアクセスが早いし、さらに自然や海にも近い。」
代官山、中目黒、青山、恵比寿など渋谷に直近のところはより若い人たちとクリエイティブな人たちに人気がある。渋谷の近くで高級感があるところとして、ドーンは外苑前をあげた。ここは、大きな並木道があるために日本のシャンゼリゼとして知られている表参道に近い。「外苑前は住むには素晴らしいし、便利で、物価もまあまあだ」とドーンは言う。
ドーンは留学生として中心部から10キロほど北の中町に住んでいた。彼女は、そこの「ハッピーロード大山」が大好きだった。果物を売る露店や店舗、レストランがぎっしりと並ぶアーケードがあり、そのためにその地域に「親切で、活き活きした雰囲気」をもたらしている。中心部から18キロ北東の南千住界隈は驚くような理由で家賃が安い。「江戸時代にから1868年まで続いた刑場だったというずっと昔のことが理由で、東京では最も人口が少ない地域のひとつだというのが事実だ」と言うのはホテル椿山荘東京で働くアンドリュー・ホールだ。ほとんどの若い人たちは迷信を信じないので、この地域は幼い子供のいるファミリーと外国人に人気がある。

どういう住まいがいい?
東京の建築はまだまだだというのが東京に住む人たちが一致する所だ。戸建も高層住宅も耐震でなくてはならず、デザインは実用性に左右されている。ほとんどの人たちがよくあるマンションやアパートに住んでいるが、こういうところでは、プライバシーは最低限しかない。とは言え、内装が安らぐかわりに外装がつまらなくなっている場合がある。ドーンは言う。「日本の建物は外観がありきたりなのに、室内は華麗なレストランや豪華な家のような場合がある。」「私が行ったことのある日本の最高のレストランの中には、一見すると『典型的な』オフィスビルの4階か5階にあるものがあります」

どこに旅行するか?
東京は日本の中心部に位置するため、どこに行くにも簡単だ。ドーンとホールは、週末に温泉に出かけると良いと助言する。ホールは東京から南に100キロも行かない箱根が、富士山の景観と山歩きできるのでお勧めだといい、ドーンは渋谷から18キロで、電車で1時間もかからない大江戸温泉物語が、砂風呂とドクターフィッシュがあるのでよいと言う。
大江戸温泉物語から徒歩わずか10分にあるセガジョイポリスは、何層ものアーケードと歴史的展示があるので、テレビゲームファンには必須だ。大都市からちょっと離れると、奥多摩では滝下りと豊かな緑を抜けるハイキングなどの渓谷めぐりができる。
さらに遠出するには、羽田と成田の国際空港から台湾、ソウル、上海に4時間かからずに手軽に旅行できる。

いくらかかる?
東京は、マーサーの2012年の世界生計費指数では第1位で、2014年の調査でも第8位だが、それでもあまりに高くつくわけでもないと東京に住む人たちは言う。
「よりコンパクトな住まいで、車を持たず、チーズ、ワイン、ベリー類、有機シリアル、妊婦ヨガのようなある種の欧米風『ぜいたく』を抑えることができれば、東京はロンドンやそのほかの欧米の都市よりも明らかにより安く、より良く住むことができる」とカークランドは言う。
良い食物だからと言って必ず高価というわけではない。ボリュームのある寿司は850円もしないで食べられるし、ラーメン、うどん、そばといった麺類も安い。はやりのレストランでも、飲み物をオーダーしなければ1700円かけずに食事できる。「2万円だろうが2千円だろうが、素晴らしい食事をいつでも見つけられます」とドーンは言う。
<終了>

【ゴリ丸の独り言】
東京に住む外国人にとって、この都市は結構暮らしやすいようです。ただし、イギリスの記事ですので、欧米系の人にしかインタビューしていませんがね。
これはゴリ丸の印象なのですが、東京に住む欧米人は大きく2種類に分かれていて、言ってしまえば相当豊かな人たちと、普通の人たちです。前者は外資系法人の役員として、東京の中心部の外国人駐在員向けの(超)高級マンションに住んでいます。後者の人たちは、どこにでも住んでいます。下町の長屋にも住んでいますし、奥多摩で一軒家、なんて例もあります。今回の記事は、こうした(どちらかといえば)普通の人たちを対象に取材されたものです。ですから、渋谷周辺や板橋が例に挙がっていますね。
こういう日本の生活を評した記事を読むと、日本人と全く異なる視点を持っていることがよくわかりますね。内装と外装の話はまさにそうでした。外観がありきたりなのに内装は素晴らしいのが東京の建築の特徴だとすれば、そこには日本人の価値観が表れているのではないかと思います。派手に目立つようにするのはみっともない、というのってありませんか?
オフィスビルに高級レストランがあるのは、欧米人にとっては確かに違和感があるのかも知れません。でも仕方ないんです。日本のオフィスビルには飲食店は必須ですし、ちょっとした接待もできるような、あるグレード以上のものもないと困ります。日本は企業社会ですからね。(これ、皮肉ですよ)
いずれにしても、在日欧米人たちが、欧米らしい要素ばかりを東京に求めているのではなく、日本らしい要素も評価していて、安いものを探してしたかに暮らしていて、そのうえで東京は結構暮らしやすいと評価していてくれているのを読んで、ちょっとうれしく思いました。
~この稿おわり~

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