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鋭読 ~英独のニュースから世界を読む~

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外国語版と日本語版の情報のずれ

サッカー日本代表内田篤人(ドイツ・シャルケ04)選手が招集されました。キリンチャレンジ杯に出場するためです。ブラジルW杯直後には代表引退を示唆していた内田の「復帰」は喜ばしいニュースです。
ところが、来日直前のブンデスリーガ・フライブルク戦で左手を負傷。骨折の恐れもありました。
今朝のサンケイスポーツ電子版に、シャルケ公式ツイッター日本語版「各国代表選へ向かったシャルカー」を巡って情報の錯綜が起き、日本サッカー協会が困惑しているとの一報が載っていました。
一体どういうことでしょうか? さっそく日本語版と原語版を確認しましょう。

(注:リンク、トラックバック、引用は出典を明記した場合に限りフリーです。出典を明記せず、または管理人の承諾なく一部ないし全部を転載することは、これを禁じます。コメントから連絡ください)

シャルケ公式ツイッター日本語版より】
<開始>
欧州組の以外では、エリック・マキシム・チュポ=モティングにも公式戦2試合が待ち受けている。カメルーン代表はアフリカネイションズカップの本大会出場を懸けて金曜日にコンゴと、水曜日(11月19日)にコートジボワールと対戦する。また、フライブルク戦で手首を痛め骨折が懸念されていた内田篤人も日本へと飛び立った。同右SBは東京の医師のもとで治療を受け、シャルケの医療班と話し合った上で代表戦に出場するかどうかが決断される。日本代表は14日、キリンチャレンジカップ2014でホンジュラス代表と戦い、その4日後18日にオーストラリア代表と親善試合を行う。
<終了>

これに対する原文は以下の通りです。
シャルケ公式ツイッター ドイツ語版より】
<開始>
Anders als bei den Europäern stehen für Eric Maxim Choupo-Moting zwei Pflichtspiele an. In der Afrika-Cup-Qualifikation muss der Offensivmann mit Kamerun am Freitag zunächst gegen die Demokratische Republik Kongo und am Mittwoch (19.11.) gegen die Elfenbeinküste ran. Die Bedeutung des Duells mit den Ivorern könnte allerdings immens schrumpfen, sollten die „unzähmbaren Löwen“ zuvor im Heimspiel gegen die DR Kongo punkten. Denn bereits ein Unentschieden würde Kamerun zur Qualifikation reichen.
<終了>

シャルケ公式ツイッター 英語版より】
<開始>
Outside of Europe, Eric Maxim Choupo-Moting will be taking part in two competitive games. The forward will play against the Democratic Republic of Congo on Friday, followed by the Ivory Coast on Wednesday (19.11). There could be little significance of the game against the Ivorians if the "untameable Lions" get any points against the DR Congo as a draw in the match against Ivory Coast would secure Cameroon’s qualification to the next round.
<終了>

原語版では、出だしはいずれも、「ヨーロッパ以外の国に招集されていった選手については」となっています。で、取り上げられているのはカメルーン代表のエリック・マキシム・チュポ=モティング選手だけです。ドイツ語版、英語版ともに、段落の最後までチュポ=モティング選手に関する情報です。
一方、日本語版を見ると、『また、フライブルク戦で・・・』と内田選手に関する記述があります(赤字部分)。
つまり、日本語版はドイツ語版、英語版と異なる内容です。これが第1点。
第2点は日本サッカー協会の理解です。サンケイスポーツによると、協会関係者は
『「(内田に)帯同しているシャルケの医療チームとの話し合いにより、代表戦に出場するか離脱するかを決定します」と発表した。だが、日本サッカー協会関係者は「シャルケの医療スタッフは日本代表に帯同していない」と否定。「翻訳ミスなどがあったのでは…」と交錯する情報に困惑していた。』
ということです。
おかしいですね。
先に挙げましたように、ゴリ丸が確認した日本語版に『帯同している』という一節はありません。(もしかするとシャルケが修正したのかも知れません。)いずれにしても、ドイツ語版や英語版にない一節なので、「翻訳ミス」ではないのです。
つまり、日本語版用の独自の原稿が存在していて、その中でシャルケ医療スタッフが帯同しているのか、そうではなくて、ドイツにいるシャルケ医療スタッフと東京から連絡を取るのか、未確認のままに出稿したのではないか、と思われます。

【ゴリ丸の独り言】
結局、内田選手のケガは骨折ではなかったのですが、出場するかどうかはクラブと協議のうえで決める、というのが結論であることに変わりありません。
ですが、サッカー協会の「困惑」は原語版を確認することと、クラブに確認することで回避できたと思います。
さて、サッカー協会事務局の実態を知らないままに、あえて誤解を恐れずに書きますと、競技団体の事務局体制の問題が透けて見えてくるように思います。ゴリ丸はテニスの仕事をしていた時期があります。当時(25年ほど前)は、テニス協会に英語ができる常勤の職員はいませんでした。ネイティブの人に週1回手伝ってもらっていたのです。そんな状態で競技の国際化を目指そうとしても厳しいですよね。例えばルール改正があったとしても、翻訳に回さないとならないわけです。(注:テニス協会の名誉のために書きますと、同協会の状況は今では大幅に改善されています。)
サッカー協会は大丈夫なのかしら・・・ ちょっと心配になりました。
~この稿おわり~

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