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鋭読 ~英独のニュースから世界を読む~

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もうひとつの沖縄問題 残留する枯れ葉剤

少し前ですが『ディプロマット』電子版に "Agent Orange in Okinawa"「沖縄の枯葉剤」という記事が載っていました。
Agent Orangeとは、ウィキペディアによりますと『ベトナム戦争中に米軍と南ベトナム軍によって撒かれた枯葉剤は軍の委託によりダイヤモンドシャムロック、ダウ、ハーキュリーズ、モンサント社などにより製造された。用いられた枯葉剤には数種類あり、それぞれの容器に付けられる縞の色から虹枯れ葉剤(w:rainbow herbicides)と呼ばれ、オレンジ剤(Agent Orange)、ホワイト剤、ブルー剤などがあった。』とされています。ご存知の方も多いと思いますが、雑草を除去してマラリアを防ぐためという理由づけをして、実はベトコンゲリラがジャングルに潜むことができないように、植物を枯らしてしまうという作戦に使われた除草剤のことを指します。
問題は、この枯葉剤が人体に残留し、悪影響を及ぼして二分脊椎症、出産異常などの症状を引き起こしているとされることです。アメリカでは永らく枯葉剤の使用自体が秘密にされていました。80年代に入ってから、枯葉剤の曝露を受けた帰還兵による集団訴訟が起こされたものの、和解による補償金支払い(製造会社による)によって終結させられ、兵士たちの証言は未公開のままお蔵入りとされたのです。90年代になり、救済法が成立しましたが、その適用範囲は限定的で、枯葉剤と健康被害の因果関係を巡る議論は今日まで未解決のままです。
さて、沖縄です。沖縄に枯葉剤が保管されていて、そのために疾患した兵士たちの証言が明るみに出て、71年にはハワイにすべて移管されたと言われますが、米政府は依然として沖縄に枯葉剤が存在したことを否定し続けています。
つまり、「公然の秘密」のまま、沖縄県民への健康被害、沖縄の環境破壊は闇に葬られています。
これも沖縄の米軍基地問題の一つです。沖縄だけに負担を押し付け、沖縄だけが未だにその残り滓にさえ苦しまなければならないのでしょうか? もしこれが本土で起きていたとしても、同じように日本政府は泣き寝入りするのでしょうか?
今日は翻訳ではなく、この問題を追い続けているジョン・ミッチェル氏が10月30日に日本外国特派員協会で記者会見したことを報じた『琉球新報』電子版をご紹介します。

<引用開始>
【東京】沖縄・生物多様性市民ネットワークディレクターの河村雅美さん、ジャーナリストのジョン・ミッチェルさん、沖縄キリスト教学院大学教授のダニエル・ブローディーさんが30日、都内の日本外国特派員協会で会見し、猛毒ダイオキシン類を高濃度で含む米軍の枯れ葉剤問題など県内の環境汚染について報告した。
 ミッチェルさんは、返還が合意されている米軍普天間飛行場に、枯れ葉剤「エージェント・オレンジ」があったとする元米兵の証言を紹介し、「普天間の危険性は上空だけでなく、地下にもある」と強調した。さらに、沖縄で枯れ葉剤に接触した元米兵の子どもたちにも、健康被害など影響が及んでいることを報告した。
 河村さんは米軍遺棄とみられる61本のドラム缶が沖縄市サッカー場で2014年1月に見つかった事例を報告。ダイオキシン研究者による調査で、ドラム缶の付着物からベトナム戦争で米軍が使用した8種類の枯れ葉剤の中で、最も毒性が強く発がん性が指摘されている「ピンク剤」「グリーン剤」の可能性があることが明らかになったことも紹介した。
 ブローディーさんは、米国防総省が沖縄での枯れ葉剤の存在を否定する理由について「お金の問題が大きい」と述べ、枯れ葉剤による健康被害に対する補償などに巨額な費用を要するとした。
<引用終了>

【ゴリ丸の独り言】
何をか言わん、ですね。
アメリカという国は大したもんだと思います。独立を勝ち取り、世界の自由と民主主義をリードしていることには間違いありません。他の諸国が見習うべき点は多々あると思います。
しかし一方では実に理不尽なことを平気でする国でもあります。モンロー主義の伝統でもないでしょうが、自国の利益のためには他国・他民族の利益を平気で踏みにじる経験を歴史上何度も繰り返しています。大国主義、でしょうか。
枯葉剤については、自国兵士も被害に遭っているのですが、国益のためには平気で黙殺します。『ディプロマット』では「冷戦期の最高機密の一つ」と表現されています。補償額が天文学的数字になる恐れがあるからと言って、事実を否定して闇に葬るというやり方は、確かにアメリカ政府のみならず、日本でもその他の国でも行われる常套手段ではあります。しかし、それを自由と民主主義を標榜するアメリカ合衆国がしてしまっては、身も蓋もない自己否定になってしまうと思うのです。
しかも、沖縄がまたぞろ犠牲となっているのです。最近になっても枯葉剤を貯蔵したドラム缶が見つかっています。軍事基地が存在するということは、そういうことなのです。
それがわかっていて、それでも普天間基地の沖縄県内移設を支持する自民党、仲井眞元知事、それらを支持する県内財界人の考えていることが分からなくなります。
たぶん彼らにとっては、必ずしも沖縄に基地を保持し続けなくとも構わないとさえ言っているアメリカのご機嫌を取ることによって自らの利権を確保し続けることの方が県民の幸福、利益を凌駕しているのでしょう。
~この稿おわり~

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