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鋭読 ~英独のニュースから世界を読む~

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沖縄を巡る政府と県民の対立

琉球独立運動をご存知でしょうか? アメリカの治世下に置かれた沖縄県にはすでに1968年に独立運動が起こり、70年には沖縄独立党が結成されています。
歴史を紐解けば、そもそも琉球王国として日本とは別の国家を形成していたものを1609年に薩摩藩が侵攻してその付庸国とし、納税が義務付けられました。徳川幕藩体制の一環として琉球が位置づけられたわけです。明治維新となり、琉球王国は1872年、廃藩置県の翌年に琉球藩にされました。これが「第一次琉球処分」です。1879年、琉球藩は廃止され、琉球王国による支配は終わり、一旦鹿児島県に編入されたのち、沖縄県が設置されました。これが「第二次琉球処分」です。この辺の経緯について重たくなく知るには大城立裕『小説 琉球処分』で大まかな流れがつかめます。
このように琉球王国以降、他国支配に甘んじていた沖縄人の中には分離独立願望が根強くあります。
2013年には琉球民族独立総合研究学会が結成されています。その他にも小さな勉強会やNPO法人もいくつかあるようです。(沖縄で開かれたある会合でいくつかの団体の方々と名刺交換したことがあります。どこまで実態を伴っているのかは不明です。)香港やマカオのような「一国二制度」を論じる人もいます。道州制の一環として位置づけようとしている人たちもいます。
こうした独立運動に対しては、県内外から反対があります。経済的に自立できない、法制度を整備できない、防衛はどうするんだ、というわけです。そうした議論にも一理あり。
さて、そこでロイター電子版から "Battle for Okinawa: Islanders face off with Tokyo over bases" 「沖縄を巡るバトル:県民は基地を巡って政府と対立」をご紹介します。

(注:リンク、トラックバック、引用は出典を明記した場合に限りフリーです。出典を明記せず、または管理人の承諾なく一部ないし全部を転載することは、これを禁じます。コメントから連絡ください)

<開始>
南洋の群島で構成され、東京から飛行機で3時間以上も離れた日本の沖縄はほとんど外国のように見えるし、日本とは違う国だと感じてもいる。県民には沖縄独立論を論じる人がますます増えている。
何万人もの駐留米軍に対する長きにわたる怒りは、基地反対派が昨年の知事選、総選挙に勝って燃え上がっているが、その勝利も東京で権力を握る人々にはほとんど黙殺されている。
タカ派の安倍晋三首相は本島北部の名護市近くに新基地建設を推進しているが、これは沖縄県民の故郷が日本の防衛の前線であり続けることを意味している。
しかも、日本で最貧地域のひとつである沖縄にとってさらに逆風となっているのは、政府が沖縄県振興予算を削減したことだ。
「わたしたちの願いを無視することで日本政府は沖縄県民と日本人の間に横たわる溝をさらに広げているのです」89才になる歴史家で元県知事の太田昌秀氏は語る。「もし政府がこの問題を無理強いするならば、分離独立の考えが本当に燃え上がることになります」
安倍首相は平和憲法を修正し、アジアにおける日本の軍事的役割を拡大しているが、これによって4月に行われる統一地方選挙において安全保障を巡る問題が政治課題に押し上げられている。
沖縄がかつて王国だった時代を取り戻すという考えは夢物語だとほとんどの人は認めるが、分離独立への願望を増幅させている怒りは、選挙において安倍首相を悩ませる頭痛の種となるだろう。
「わたしたちは自民党に裏切られ続けてうんざりしているのです」と語るのは、主婦で反対派の一人であるアラカキユキエさんだ。彼女は数週間前に本島中部の普天間基地を移転して新しい基地を建設する辺野古で真夜中に作業を開始しようとダンプがやってきた際に警察と衝突した。
「わたしたちの意思が尊重されないことははっきりしています」
今年は、県民の30%が亡くなった沖縄戦の70周年にあたり特に気持ちが高揚している。県民はその後27年間をアメリカ治世下で過ごした。
今なお沖縄には在日アメリカ軍基地の75%近くがあり、県土の18%を占めている。

門番
安倍首相による軍事増強は中国の影響力拡大によるものだが、東京の南方約1,600キロ(1,000マイル)の沖縄では懸念する人もいる。12月の総選挙に勝って勢いづき、安倍政権は史上最高の420億ドルの防衛予算を通過させた。
「軍事上の想定において、東京は70年前と同じようにあまりに離れていて痛みを感じようとしません」稲嶺進名護市長はロイターに答えた。
「当時、沖縄は本土のための時間稼ぎでしたが、この考えは今も本質的に変わっていません。本土の人たちは沖縄県民に何もかも耐え忍ぶことを求め、それによって自分たちは安全だと感じるのです」
密集した住宅地の真ん中にある普天間基地の移設には皆同意している。しかし、ますます多くの沖縄県民が、すべて沖縄から移設すべきだと言っている。騒音問題もあって議論の多いティルトローターのオスプレイの計画配備も理由のひとつだ。
「振動のせいでお腹がしびれるんですよ」普天間基地がある宜野湾市に住む56才のカワカミ・カナコさんは言う。
100人の反対派グループの一人として川上さんは辺野古予定地に隣接するアメリカ軍基地キャンプシュワブ前の丘の斜面で徹夜した。
ダンプは真夜中に到着した。1月には80才の老婆が反対派と機動隊の衝突で負傷した。
基地は日本で2番目に貧しい沖縄県にとっては常に悪魔の誘いだった。失業率は全国平均よりもほぼ75%高い。
さびれた名護市で、安倍首相自慢の経済振興策は61,500人の住民には大したインパクトを与えていない。仕事を離れた人もいる。「基地はお金を運んで来てくれます」タクシー運転手のナカ・マサツネさんは言う。「家族を養わなければなりませんから」

対案は?
政府は、振興予算は沖縄支援が目的であり、基地とは連動していないと言い張りながら大盤振る舞いの予算を割り当てた。しかし、11月に基地反対派の翁長雄志が県知事に当選し、12月の総選挙で与党候補が完敗すると、政府は2015年度の振興予算を160億ドル削減して3,340億ドルにすると発表した。
一方、基地経済が沖縄のGDPに占める割合は1972年の15%から2011年には4.9%に下落しており、県民はより自立しなければならないことが分かった。
観光業はGDPのほぼ10%に上っており、外国人観光客もたいへん多い。
基地の敷地を地元に開放できれば、情報産業やコールセンターなどの成長産業を拡大できる。
とはいえ、経済的に見るとコトは簡単でない。沖縄のGDPは太平洋の小国ツバルと同じレベルだ。
「独立など宣言できません。食えませんよ」与党自民党の地方支部会長を務めるキンジョウ・サトルさんは言う。
しかし、県民が怒り、政府がこれに対応するという状態だと、安倍首相にとっては国家的危機を招きかねない。1月25日、東京で行われた辺野古基地反対集会にほぼ7千人が集まった。
「国民はここで起きることを目にすることになるでしょう」稲嶺名護市長は語った。「政府と自民党をこれまで支持してきた人たちは、これ以上はやり過ぎの申し開きができなくなるでしょう。」
<終了>

【ゴリ丸の感想】
ゴリ丸は沖縄の基地問題についてはこれまでにも海外の記事を紹介してきました。
『フォーブス』が唱える「沖縄を返せ」
もうひとつの沖縄問題 残留する枯れ葉剤
明日の沖縄県知事選 ワシントンポスト紙も翁長優勢を伝える
沖縄を考える
沖縄を考える ~その2~

いつも思うのですが、琉球処分は強いて別にしたとしても、沖縄戦での惨禍、戦後のアメリカ占領、基地問題を考えると沖縄は十分にその責務を果たし終えているのではないでしょうか?その意味では上記翻訳のうち、”『フォーブス』が唱える「沖縄を返せ”のダグ・バーンドゥ氏、また、沖縄国際大学教授の前泊博盛氏の議論は非常に説得力があります。
いずれにしても、本記事は格段目新しい事実を伝えているわけではありません。安倍政権が上京した翁長知事と会わないことがそれぞれにとってどのような意味があるのかにも触れていません。ですが、辺野古新基地建設を巡る反対運動とその問題点についてはおおむねコンパクトにまとめてあります。世界のロイターとしては、これによって沖縄を改めて考える必要が発信されるわけですからいいのかな・・・
~この稿おわり~

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